結城明音の適当日記

同人漫画描き・結城明音の活動報告と日常と関心事

天文ブログに書きづらい天文学の話をこっちに書く 2023.5.17.(水)

先に天気を書いておきましょう。晴れ! 出先で見た金星と火星とカストルポルックスがきれいだったなー


追記。思いついたことを書いていたらやっぱり深夜になったぞ。
これは天文の話題なのだけれど、天文ブログに書くにはまだどうもまとまらないので、たたき台を兼ねてここに吐き出しておく。つまり吐き出すような内容なわけだ。

2023年10月29日は部分月食! 国立天文台のサイトにも記事ができています。

www.nao.ac.jp
上の記事には

10月29日の明け方に部分月食が起こり、部分食の始まりから終わりまでをほぼ日本全国で見ることができます。

って書いてあるんですよ。続いて

小笠原諸島などでは、月が欠けたまま沈む「月入帯食(げつにゅうたいしょく)」となります。)

ともあるので、「小笠原諸島では終わりまで見られないから、最初の書き方なのかな」と一瞬思ったのですが。

同様の違和感を、過去の天文現象で抱いたことがあるんですよね。

2020年12月13日、この日は月が金星に接近の日でして、金星食が起こったのです。
国立天文台サイトのいつものほしぞら情報には、金星食はおろか、月が金星に接近情報も載っていませんでした。月が金星に接近の様子は肉眼で観察しやすく目を惹くので、よく載るんですけどね。このときは無かった。なので、ん? って思ったのを、覚えています。

www.nao.ac.jp

で、国立天文台サイト内にあるこちらで調べると、この金星食は日本で見られると出るんですよね。

eco.mtk.nao.ac.jp

結果のスクショ。見えるってなっているでしょ。

日付が赤いのは、リンクをクリックしたからです。リンク先はこちらです。

eco.mtk.nao.ac.jp
それでもこの金星食は話題になってない、というか、話題にしないように月金星接近も書かなかったのだろうか、と思ってしまいましてね。

月食がどこで見られるかは、こちらで世界中を細かく調べられます。

eco.mtk.nao.ac.jp
要は、2020年12月13日の金星食が見られる地域も、2023年10月29日の部分月食が見られない地域も、どちらも北方四島(の一部)のみなのです。

月食等データベースの「ご利用にあたって」に、こう書いてあるんですよね。

日本付近での見え方について

  • やや広めの領域で判定している一方で、ごく一部でしか見られない現象を判定漏れしている可能性があります。
  • 歴史的な領土の変遷は考慮しておりません。


「この天文現象はここで見られるよ!」って言いたいだけなのにーああーーー 科学に政治は持ち込みたくないでござるーーーー そりゃもう言い方ぼかすしかねえーーーーー


さて、私は科学と芸術が好きなんですよね。科学は国境を越えて平等に降り注ぐし、芸術は国境も言語も溶かすから。

つまりさ、けっこう、科学も芸術も敵視されていそうなんだよね。「分断と対立と差別を煽りたい・煽られたい・煽りに乗る人たち」「属を作り属さない者の排除を企て煽る(自分では手を下さない)人と、どこかに属したい(排除されないために排除する側に回りたい)人」にとって。国境には分断の力がありますよね。そう、最近、些細な雑談や話題でも、分断を煽る論調が増えてきているなって。いつも心に科学と芸術を携えていたいものです。

今年4月に出た「ビジュアル天文学史」を買ったんですよ。
f:id:yukiaketo:20230518030040j:image

緑書房、何か聞いたことある気がするーと思ったら、獣医学系の本をいっぱい出しているところだった)

www.midorishobo.co.jp
ちょっとずつ読み進めている、というか、気になるところをつまみ食いしつつ全体の流れをつかむ、みたいな読み方をしているので、感想は「おもしろい! 時系列ありがてえ!」に集約しそうなんですが。

私は「はじめに」「監修者のことば」を先に読むんですよ。実はいちばん書きたいことってここにあったりしますよね。もうね、ここ読むだけでこの本は「当たり」でしたわ。真摯に書かれた誠実な本でした。地球に国境線はないんですよ。

天文学ね、私の中高時代はほとんど理科で天文やらなかったからなあ(たぶん金星の満ち欠けは習っていない)。たぶん「役に立たない」からだと思うよ、役に立たないとは誰目線なのか、って話なのだけれども。学ばれたくない、理解されたくないのが為政者の本音じゃね? 地球視点、宇宙視点、なんて大衆が言い出したら、「もしも地球外生命体が見つかったら、地球に住む私たちは善き隣人であるように、まずは近しい人を、そして隣国を」なんて大衆が言い出したら困るもんね(これを言い出すのはだいたい個人だ)。欲望にまみれていないと帰属意識が働かないからね。「役に立たない」でしょう。だから排除しようとするってね。

天体・宇宙モチーフ、芸術の人がけっこう好んでいるのって、深いところで共通点があったりして?

吐き出し、ひととおりできたかな。最初から最後まで天文学の話題のはずだけど、どうしましょ? まとまるのか?